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「~てある」構文が持っている形式と意味を調べてみた結果、形式1(「対象が+他動詞てある」)と形式2(「対象を+他動詞てある」)は発話時以前になされた行為の現存という側面は共通しているものの、行為者の目的意圖の有無によって差異がある。「が~てある」は寺村(1984)・益岡(1987)の「意志的行為の結果に重点が置かれる「結果相」の表現」より、森田(1988)の「行為の結果の現存」という意味で把握するのが望ましい。なぜならば「~てある」形式で表現される意志性がない場面の描寫文も「行爲の結果の現存(殘存)」として説明できるからである。
「~ておく」構文において高橋(1976)はすがた動詞ともくろみ動詞という一つのかたちに二つの意味があるといいながら、アスペクトの体系に属する一つの形式として扱い、もくろみ性を副次的な現象に過ぎないと述べている。しかし、「~ておく」が「あとのことを考えにいれてする動作」と規定されているように「~ておく」全般に もくろみ性が覆っていると思われる。工藤(1989)が言う「~ておく」の「基本的に<①あとの出来事を成立させる(成立させない)ために、②意図的に(目的意識的に)動作を行って(あるいはわざとおこなわないで)」からも「~ておく」には意圖的な目的意識はもくろみ性を反映すると思われる。
「~てある」形式2)は一般的に「~ておく」のシタ形と意味的・統語的に対応関係を持つ。しかし「~ておく」文のスル形は動作主が先を見通して後の事態に備えるため、發話時以前になされた意図的な行為を発話時に表す「~てある」形式2)とは異なる。
「~てある」形式2)と「~ておく」との違いを李(2001)は「消極的準備」と「積極的準備」で説明しているが、「~てある」形式2)はある動作をしたことの効果が発話時にも継続しているところに焦点(結果 → 行為)が置かれ、「~ておく」はある動作をすることに焦点(行爲 → 結果)が置かれているという差がある。
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