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本稿では、20世紀後半の(日本の)新聞テクストにおける「抽象的な外来語の基本語化現象」の要因について、Halliday and Hasan(1976)やMcCarthy(1995)などの言う談話構成機能に注目して、共時的に考察した。20世紀後半の新聞において基本語化されたことが明らかである、「トラブル」と「ケース」の2語を例にみると、「トラブル」の基本語化には、既存の類義語群の上位語として、それらを範列的に概括する機能を獲得していることが作用し、継起的な概括機能はあまり関与していないことがわかった。一方、「ケース」の基本語化には、一般語(general word)として、テクスト内の(主に先行する)表現を継起的に概括する機能を発達させていることが作用し、範列的な概括機能はほとんど関与していない(ただし、「ケース」が他の類義語に対して上位語の位置に立っていないと断言することはできない)。現代新聞における抽象的な外来語の基本語化は、この二つの概括機能が、新聞テクストの概略化傾向に沿う形で作用し、進行しているものと考えられる。
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