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『古事記』『日本書紀』及び『摂津国風土記』收載の比賣許曾社の緣起說話は、古代韓日間の交流を示唆する貴重な資料である。阿加留比賣とは、新羅のアグ沼で日光に照らされ、赤玉より化生した女神であるが、夫神から逃れるため小船に乗って海を渡り、難波の比売許曾社に鎮坐した渡来神である。この女神の渡来伝承は、天之日矛(又は都怒我阿羅斯等)の日本渡来とその定着をかたる伝承中の一部分を占め、韓日両国において様々な角度でその研究が行われてきた。特に、天之日矛(又は都怒我阿羅斯等)は、阿加留比賣のあとを追って日本へ渡る伝承を持つが、この伝承は延烏郞を追って日本に渡る<延烏郞細烏女說話>(『三国遺事』所載)との類似から、韓国において兩説話の比較研究が盛んに行われている分野でもある。當説話は日神の移動神話として、古代韓日間の交流を示唆するものとして扱われ、新羅人の日本移住を語る歷史的事實のように考えられた。しかしながら先行論文は天之日矛との比較にその重點をおいた硏究がそのほとんどを占めていると言って過言ではない。天之日矛(都怒我阿羅斯等)の日妻であり、新羅国の女神、阿加留比賣との比較にも視野を広めるべきであると思われる。したがって、本稿は難波の比売許曾社の祭神、阿加留比賣は勿論のこと、他地域の比賣許曾社の祭神も視野に入れつつ考察を試みた。阿加留比賣や延烏郞細烏女の神格、新羅の古地名<都祈野>や摂津の<兎我野>、それから<機織><迎日祭祀>などをキーワードにして、古代韓日間の交流の在り方についても考察を加えた。しかしまだ残された問題点も多く、兩國の記録を精緻に檢討したうえ、韓日間の民俗學や考古學などの側からの檢討も行われれるべきであろう。
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